Column

コラム

終活

女50代。私に合った「終の棲家」の探し方

2021.07.15

50代のLiliShe(リリシー)世代にとって、終の棲家探しはそう遠い未来ではありません。「介護が目の前に来ている」「現在、介護中!」という人も多いのでは? 
より充実した人生の終盤を迎えるため、そして親の介護に備えるため、終の棲家をどうするかは深刻な問題です。施設に入る、家をリフォームする、住み替えるなど選択肢は山ほど。体が動くうちに、判断が鈍くならないうちに、安住できる住まいや環境のことをしっかり考えておきましょう。

自宅、老人ホーム、リフォーム、住み替え……私の終の棲家はどこ?

まずは、終の棲家になりえる場所を考えてみましょう。

<自分の時間を大切にしたいなら>

●今の住まいに住み続ける
「住み慣れた我が家で、できるだけ長く暮らしたい」と願う人も多いでしょう。漠然と「病院のお世話になるまで、施設に行くまでは今の家に住み続ける」と考えているのかもしれませんが、これからやってくる老いと向き合うための準備も必要です。在宅介護についてはたくさんのサービスがあります。どんな種類があるか、どうしたらサービスを受けられるかなど、今のうちにチェックしておくのもよいでしょう。

また、「高齢者の怪我の7割近くが自宅で起こっている」というデータもあることから、安全性を考えて、自宅をリフォームすることも考えておきましょう。

●住み替え、買い替えをする
「広い1軒家では管理ができないから、マンションに住み替える」「最後はゆっくり、あこがれの地で広々と暮らしてみたい」など、住み替えを考える人もいます。

三井不動産リアルティ株式会社の2013年の調査「シニア世代の住まいに関する意識調査」によると、【住み替えした人の平均年齢】は58.9歳。ローンを組むことも考え、早い判断が求められるようです。

<老後の手厚いサポートを望むなら>

●老人ホーム
いわゆる高齢者施設です。最近では超高級老人ホームなども話題ですが、介護度や介護依存度で利用できる施設が変わります。ここではざっくりと施設の種類を紹介します。

[シニア向け分譲マンション]
バリアフリータイプの分譲マンション。コンシェルジュサービスや食堂、大浴場など共有スペースが充実しているところが多い。

[サービス付き高齢者住宅]
安否確認と生活相談サービスを提供する賃貸住宅。オプションで食事や家事の代行サービスを行うところも。介護が必要になったときは在宅と同じように訪問介護サービスを利用。

[ケアハウス]
家庭環境や経済状況によって自宅での生活が困難な高齢者のための福祉介護施設。


<介護サービスが必要なら>

[住宅型有料老人ホーム] 
基本的には食事サービスと緊急時対応など日常生活支援が中心。

[介護付き有料老人ホーム]
施設のスタッフが入浴や食事などの支援、介護、機能訓練などを行う民間施設。看取りまで行うところが増えています。

このほか、グループホームや特別養護老人ホーム、介護医療院など、要介護度により利用できる施設が変わってきます。

「暮らす場所」で変わる幸福度

施設にせよ自宅にせよ、自立して暮らせるうちはまだ気持ちに余裕があるはず。でも、だんだん老いが進むと、元気な体であればなんてことのなかった坂道や階段も、それまでの何倍も負担に感じるようになります。交通の便が悪かったり、家や病院の周りに坂や歩道の狭い道路、自転車の通行量が多い道があったりするだけで、出かけるのが億劫になってしまうのです。こうなると、出不精の人はどんどん引きこもってしまい、社会との接点が途絶えがちになってしまいます。

また、転居や移住を考える人にとって問題になるのが人間関係です。
同じ施設内、同じ地域、集合住宅内でのトラブルは、高齢になるほど各人の好みや習慣にこだわる傾向があるため、容易に解決することができず、なかなか引っ越すこともままならないため、悩みの種を抱えて生活することになります。
人間関係は見えにくいところでもありますが、なるべく下見をして様子をうかがうことが大切です。

自分らしく生きられる場所を探して

70歳代で高齢者住宅に引っ越された、素敵な女性にお会いした時のこと。「長く住み慣れた家を離れる決断をするのは大変でしたか?」との問いに、「80歳で環境を変えたり、引っ越したりするのは辛すぎるから」とキッパリ。「毎日とても快適に、自分ファーストで暮らしています」と話してくださいました。

30代40代の時とは違い、50代の今でさえ、私はだんだん動くのが億劫になってきました。この先60、70と老いてからの住み替えは相当大変かも……と思う今日この頃です。

動くのは今からなのか、それともこのまま我が家でギリギリまで居続けるか。LiliShe(リリシー)世代はそろそろ真剣に答えを出さなければいけないお年頃なのかもしれません。

藤木 真実 (ふじき まみ)
元ウエディング雑誌、レストランNAVI等の編集長。2019年よりフリーランスとして活動。宝島社TJMOOK「品格を磨く所作」「小さく暮らす。」「素敵な人の終の棲家」などの特集企画の編集ほか、ジュエリーショップやウエディング関係のカタログ制作などに従事。食べること、飲むことが大好き。
コラムTOPへ