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健康に効率的にやせる、中高年女性のダイエット

2021.07.19

若いころはダイエットの結果がすぐに出たのに、最近なかなかやせない……。
大人の女性がきれいに、そして健康に痩せるにはホルモンの働きを知ることが大切。
しかも、閉経前と後ではダイエットのセオリーが違うんです!

女性ホルモンの働きを知り、美しい体をキープするにはどうしたらいいか、産婦人科専門医の千代倉由子先生にお話をうかがいました。

月経周期に合わせたダイエットが効率的

女性は思春期に初めての月経を迎え、その後、閉経前までほぼ一定の周期で月経が訪れます。心と体の状態もこのリズムの影響を大きく受けるので、ダイエットは月経の状態を知って行うのが最も効率的です。

以下、整理してみます。

月経~排卵:エストロゲンという女性ホルモンが卵巣から分泌される「卵胞期」。物事にポジティブになり、脂質や糖質の代謝が増して、脂肪がつきにくい体に。悪玉コレステロールが減って、善玉コレステロールが増えるとも言われています。ダイエットに最適なのはこの時期です!

排卵~月経前:女性ホルモンが盛んに分泌される「黄体期」。落ち込みやすかったり意欲が低下したり、心も体もネガティブに。脂質や糖質の代謝も低下して、むくみなどで体重が増えることも。

月経中:生理痛やむくみ、冷え、集中力の低下などが起こり、積極的に体を動かさないほうがよいとされています。リラックスすることが大切な時期。

「女性ホルモンが体に及ぼす影響をちゃんと理解しながらダイエットをすることはとても大切」と千代倉先生。「ダイエットに励むなら、月経前から排卵までにしましょう。でも、閉経を迎えたら、もっと別のアプローチが必要になってきます」

閉経後は女性ホルモンを整えることが先決

更年期では女性ホルモンは著しく低下し、閉経すると、若く健康な人の女性ホルモンと比べて10分の1程度の量になってしまいます。月経があるうちは女性ホルモンのパワーを借りて、ダイエットを効率的に進めることができましたが、閉経前〜更年期に入ると、そうはいきません。

まず、基礎代謝が落ち、これによって脂肪や糖の代謝などすべての代謝に変化が生じます。さらに骨量・筋肉量が減るので、若い時と同じような食事制限や運動をしていては、けがや病気を招くことになりかねません。

「クリニックでは、こうした更年期から閉経後の世代に対して『食事療法』『運動療法』『投薬療法』『漢方療法』を組み合わせて指導しています」


★やせるポイント1
食事療法→むやみに減らさない

糖質や脂質の代謝を促すのに大切な女性ホルモンの力が低下すると、1日のエネルギー代謝が減ります。つまり、閉経前と同じカロリーをとっていると、太りやすくなるということ。

「だからといって閉経前より摂取カロリーを極端に減らすのは危険。食事療法は、骨と筋肉を保持しながら行いましょう」と千代倉先生。

「大事なのは、高タンパク、高ビタミン、カルシウムをしっかりとること。お米やパンなどの主食(炭水化物)、お菓子類は原則禁止。どうしても食べたい人は、100gの肉を120gにするなど、肉や魚のタンパク質や野菜を少し多めにとってみてください」


★やせるポイント2
運動療法→激しい運動はけがのもと

筋肉や骨量をもりもり増やすのは、すでに遅い年齢に。千代倉先生は「筋肉や骨量を維持するくらいの“レジスタンス運動”がおすすめ」と言います。

レジスタンス運動とは、ダンベル運動やスクワットなどで骨盤の筋力を整える運動。ウォーキングの時に歩幅を大きくとって早歩きするだけでもOKです。


★やせるポイント3
漢方薬で脂肪の分解力を高める

食事、運動だけではなかなか痩せられない場合は、漢方の力を借りるのもひとつの手。「『防風通聖散』という内臓脂肪を減らす漢方薬があります。漢方は比較的副作用が少ないので、生活習慣病の方でも使用できます」と千代倉先生。「ただし、漢方も薬なので、必ず医師の処方が必要。個人の判断で服用するのはやめましょう」


★やせるポイント4
女性ホルモンを補う投薬療法

女性ホルモンを補充することで、閉経前のように糖質や脂質の代謝をよくする「ホルモン補充療法(HRT)」という方法もあります。飲み薬、塗り薬、張り薬、注射など、ホルモン補充療法はさまざま。体質とライフスタイルに合わせたものを選んで正しく使うことが大切です。ただし利用できない方もいるので、産婦人科医と相談しながら行いましょう。

以下、注意点を挙げておきます。

*薬物療法について
インターネットで簡単に薬が取り寄せられる時代ですが、絶対にやめてください。漢方薬でも、人によっては肝臓機能障害を起こすことも。1年に1度は肝機能チェックをしながら服用することをおすすめします。

「女性ホルモン補充療法(HRT)」については、乳がん・子宮がんのリスクもあります。投薬の前に医師による血圧や血液検査、がん検査などのチェックが必要です。また、療養中・療養後も医師による定期的な診察が必要。また、検査の結果、HRTが適さないと医師が判断した場合は、漢方薬や他の薬剤が処方されることもあります。

監修:千代倉 由子(ちよくら・ゆうこ)

産婦人科専門医、母体保護法指定医。医学博士。池ノ上産婦人科院長(東京・下北沢)。婦人科全般、更年期外来のほか、肥満外来もある。年齢やホルモン値の状況によって投薬、点滴、食事療法など、患者個人に合わせた診療を行っている。メディア出演多数。

藤木 真実 (ふじき まみ)
元ウエディング雑誌、レストランNAVI等の編集長。2019年よりフリーランスとして活動。宝島社TJMOOK「品格を磨く所作」「小さく暮らす。」「素敵な人の終の棲家」などの特集企画の編集ほか、ジュエリーショップやウエディング関係のカタログ制作などに従事。食べること、飲むことが大好き。
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